本人が受診したがらないのですが…?

 むしろ,行きたくないという気持ちを表明するほうが多いかも知れません。

 

これが精神科の難しさのひとつとも言えます。

周りが本人のことで心配したり悩んだりしていても,当の本人がそのことを受診すべき問題だと考えていない,ということがよくあるのです。

私の考えを書いてみますと,嫌がるお子さんを強引に精神科へ連れて行くのはあまりお勧めできません。精神科診療はあくまで「医療」なので,本人の意思に反して外来診療を行うことはできませんし(入院となるとちょっと話は違ってくるのですが),がんばって連れて行ったのにお子さん本人に何もメリットが感じられなければ,後で家族の関係がぎくしゃくするだけ…という結果になってしまいます。

お子さん本人はどうしても精神科受診しようとしない,でも親御さんとしてはどうしても精神科医の意見を聞いてみたい…そんな場合には,お母さんやお父さんが患者として受診するという裏技的方法を取ることもできます(ただし,受診可能な年齢に制限のあるような児童精神科では難しいかもしれません)。

つまり,「我が子のことが心配」という親御さん自身の悩みを主訴に,親御さんの名前でカルテを作っていただくということです。

お子さん本人に会わないままでは主治医も正確な医学的診断までは下せないと思いますが,お子さんのことについて直接精神科医に相談することができて,ご家族がお子さんをサポートする上でのアドバイスや,親御さんご自身がどうすれば少し楽になれるかといった助言は受けられるのではないでしょうか。

どうしてもお子さんが受診を拒否するときなどには,「裏技」もぜひ検討してみてくださいね。