眠れていない様子

一晩中様子を見ているわけではないけれど,どうやらあまり眠れていないみたい…お子さんを見ていてそんな様子に気付かれることがあるかも知れません。

 

たとえば,遠足の前の日にワクワクして眠れないとか,テストの前日に緊張して眠れないとか,失恋のショックで眠れないといった,理由のハッキリした一過性の不眠は比較的誰にでもみられるものです。

でも,はっきりした原因がわからなかったり,特定のイベントを終えた後にも眠れない状態が数日から数週間にわたって続いていたとしたら,それはやはり心配すべき状態のように思います。

 

 

対応・治療法

 

お子さん本人に「最近眠れてないの?」と尋ねてみるのがもちろんいちばん早い方法…。

 

でも,思春期独特の素っ気ない返事しか戻らなかったり,お子さん自身はあまり眠れていない自覚がなくてそんなに深刻に考えていなかったり,といったこともありそうです。

 

不眠自体が異常というわけではないのですが,何かとても大きな負荷やストレスが掛かっていて,いっぱいいっぱいで対処できなくなりそうな状態にあるのかもしれません。

 

不眠をこのまま放置していると,もしかしたらもっと別の症状が出現したり,もっとしんどい状態に陥ってしまう恐れがあるので,念のため早めの精神科受診をおすすめします。

 

とはいえ,毎晩こっそり「まだ起きているのかしら…?」とお子さんの様子に聞き耳を立てているとこどもさんに思わせてしまうと,かえって親御さんから心配されることへ抵抗を示すかもしれません。プライバシーへの配慮はやはり大切ですよね。

 

なので,眠れていないという現象を直接指摘するのではなく,眠れていないことで日中に現れる間接的な症状を理由に受診につなげてあげられたらよいのかな,と思います。

 

たとえば,朝が起きづらそう(逆に早朝覚醒でいつもより早く起きてくるパターンもあるかも知れませんね),朝食時などに話し掛けても反応が遅くボーッとしている,集中力が落ちている,話したことをよく忘れている,夕食後にテレビを観ながらウトウトしている,…などが指摘しやすいかもしれません。

 

受診すると睡眠薬を処方される可能性が高いです。

最近の睡眠薬は,処方どおり正しく使えばそれほど危険なお薬というわけではありません。心配な点は医師や薬剤師にきちんと尋ねて,安心して使っていただきたいと思います。

 

睡眠薬を飲むことで睡眠のサイクルを立て直すのが目的ですので,サイクルが元に戻るまでは自己判断で減らしたりやめたりせず指示どおりの量をきちんと飲むほうが,結局は早く睡眠薬を手放せる結果になったりします。お薬が強すぎたり,副作用と思われる症状が現れたりしたときには早めに担当医に相談して対処し てもらってください。

 

もちろん,お薬で睡眠サイクルを整えることと並行して,ストレスとなっていることへの対処法や負荷の軽減についても行うことが大切です。このあたりのこと も含めて任せられる精神科医が地域に見つかればよいですが,そうでなければ相談機関やカウンセリングを利用するという方法もとれると思います。