見えたり聞こえたりしている様子

お子さんが,お母さんお父さんには見えていないものや聞こえていないことの話をしてくることがあるかもしれません。

 

または,現実には起きていないことを事実だと信じ込んで,そのことを心配したり恐れたりするといったこともあるかもしれません。

実際にはないものの姿形や音声,できごとを実際にあるかのように感じて(知覚して)しまう症状は陽性症状と呼ばれます。

 

「陽性」とは本来ないはずもののが余分に「プラス」して感じられる,という意味です。

 

ないはずのものが見えたり聞こえたりすることは幻覚(幻視・幻聴),事実ではないことを信じてしまうことは妄想と呼ばれます。

 

幻覚や妄想,と聞くと,なんだかとても重症な精神病のようなイメージをもたれるかもしれません。

 

でも,思春期のこどもたちが幻覚や妄想を体験する確率はおよそ15%くらいと言われていて,じつは決してめずらしいことではないのです。

 

 

対応・治療法

 

もちろんお子さんによって事情はそれぞれと思いますが,やはりストレスを抱えたり無理が掛かったりしたときに起こりやすいようです。

 

たとえば疲れていたり,眠れていなかったり,不安なことがあったり,寂しさや孤独感を感じていたり…。

 

なので,まずは取り除ける負荷は少し減らすよう工夫をして,お母さんお父さんやまわりのおとながしっかり見守ってあげるようにしてあげるとよいと思います。

 

親御さんから見ると,事実や現実にそぐわないお子さんの不思議な言動がとても気になって,「それは違うよ,大丈夫だよ」と説得したくなるかもしれません。

 

でも,お子さん本人にとっては本当に知覚されている「真実」なので,否定されると反発したり腹を立てたりすることもあるようです。なので,陽性症状の内容 を否定するのではなく「今そんなふうに感じているんならしんどいよね」と症状の性で生じる苦しさに焦点を当てて声を掛けてあげてくださいね。

 

そしてできることなら早めに精神科や児童精神科を受診して,陽性症状を抑えるようなお薬を出してもらってください。

 

最近の研究では,思春期にみられる陽性症状に対して早く治療を開始したほうがスムーズに状態が落ち着き,その後の生活への影響も少なく留めることができると言われています。ぜひぜひ,お早めの対応をお願いします!