自分がいちばんよかったと思うのは…

今年度,私の勤める病院ではひきこもり傾向のある青年期の患者さんに来ていただけるような少人数のブループ療法に取り組み始めています。

新しい試みなのでスタッフでいろいろ相談しながら,少しでも楽しめるような,少しでも余計な苦痛がなくて済むような,そして少しでも「思い切って来てみてよかった」と感じてもらえるような,そんな機会にしたいと思っているのですが…,

 

果たして,参加してくださったご本人たちはこのグループ療法のことをどう感じたのだろう?

 

それは私たちにとってすごく気になるところです。

 

そこで,いくつかの心理評価尺度と一緒に,参加して診て思ったことを自由に書いてもらえるようなアンケートもお願いしてみました。もちろん白紙で戻ってくるかもしれないけど,

 

すると…,

 

ある参加者さんから,びっしり書き込まれたアンケートが戻ってきました。

 

内容をそのままここに書くことはできないけれど,ほんのちょっとだけ書いてみます。

 

「グループ療法に参加して自分がいちばんよかったと思うのは,両親が自分のことをあまり不安に感じなくなってくれたこと。それまでは心配されていることがいたたまれなくて,親のいる部屋に出て行くことができなかった。でもグループがある日だけでも自分で用意して外出するようになったら,親がすごく安心してくれたのがわかって,両親と顔を合わせたり話したりすることが楽にできるようになった。…」

 

読んでいて涙が出そうでした。

 

ひきこもりのお子さんを抱えるご両親がお子さんのことを心配するのはあたりまえのこと。

 

でも「親に心配を掛けている」ということ自体に彼は苦しんでいたんですよね。

 

それをちゃんと私たちにことばで伝えてくれて,そしてその苦しみが軽減したと感じてくれていることも教えてくれて…。

 

親御さんもご本人が積極的に病院へ向かう姿を見て何かホッとするものを受け取ってくださったんですよね。

 

グループの内容がよかったかどうかはわからないけれど(苦笑),私たちがもっと大切にしたいと思っている変化が起きていて,それを本人が感じてくれていたことが本当に嬉しかったんです。

 

少なくとも,こういうブループを始めたことをとても肯定してもらえたような気持ちになりました。

 

これからも,ひとりでも多くの参加者さんに「来てよかった」と感じてもらえるように,何か少しでもお役に立てるように,これからもがんばろう!と思わせてもらいました。

 

ありがとう。

 

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コメント: 8
  • #1

    be (木曜日, 25 11月 2010 21:31)

    長男(中学2年)二男(小学4年)ともにPDDです。長男はADHD優位二男はカナーの面も持つという兄弟でも全くタイプの違う二人です。
    私自身もアスペルガー症候群で、二次障害で解離性障害を抱えています。
    私と子供たちとではなんとかコミュニケーションがとれるのですが、兄弟同士では全くコミュニケーションがとれません(子供たちはお互いのことが全く理解できないようです)子供が小さい頃は仲の悪い兄弟なのかなぁなんて軽く考えていたのですが、年齢が上がるにつれお互いの嫌悪感が増していっているようです。
    診察は、私は精神科(発達障害専門医ではない)へ通院。子供たちは児童相談所の診療所へ。
    しかし長男は中学入学以降診察を嫌がり薬だけ私が貰いに行ってます。
    質問点は、兄弟間の問題はやはりもっと親が介入してなんとかしないといけないものなのか?(どうにもならなかったので相談しているですが…)
    家族療法という言葉は聞いたことがあるのですが発達障害の子供と、発達障害の親が受診できる集団療法のようなものはあるのでしょうか?
    最後に…長男はひきこもりではないのですが、治療ラインに乗ってくれてないのでかなり焦りがあります。(どう病院に導いてやればいいのやら)
    初コメントでの長文申し訳ありません。

  • #2

    child-mental-health (金曜日, 26 11月 2010 00:50)

    > beさん
    コメントありがとうございます。
    教えていただいた情報で推測しながらお返事させていただきますね。

    お母さんには兄弟間の嫌悪感が増しているように見えるとのことですが,たとえばお兄ちゃんから弟さんについて「あいつのこういうところがムカツク」みたいな具体的な不満をお母さんに言ってこられることがありますか?(逆に弟さんからお兄ちゃんについての不満ということもあるかも知れませんが…。)お母さんが兄弟間の嫌悪感をどのような言動から感じ取っていらっしゃるのかが気になりました。

    お兄ちゃんにはお薬が出ているのですよね。
    医療機関や医師によって考えかたはいろいろかも知れませんが,私がもし主治医の立場なら,お薬を飲むご本人(お兄ちゃん)にずっと会わないままでお薬を出し続けることにはとてもためらいを感じます。毎回は無理でも,少なくとも3ヵ月に一度とか半年に一度はご本人にも受診してもらって,調子を聞きながらお薬の種類や量を調節したいからです。
    主治医の先生にお母さんがお兄ちゃんをまた受診させたいと願っていることを伝えて,口裏を合わせてもらって(たまには本人に会わないと処方を続けるのは本当は難しいんだよね,と先生のほうから言ってくださったことにするとか)再度受診するきっかけを作る,といったことはできるかもしれません。もちろん,お兄ちゃんがお薬を飲んでいるメリットを感じてくれていればの話ですが。

    ご家族みんなで一緒に面接を受けるスタイルで,家族療法的な支援をしてくれる機関や専門家もあるだろうと思います。兄弟のすれ違いをお母さんおひとりで仲裁するのは大変だろうと思いますので,兄弟仲のことを心配しているということを具体的な内容も含めてご自身の主治医や児相のお兄ちゃん・弟さんの主治医にもまずは伝えてみるとよいかもしれません。

    …的はずれなお答えになってしまっていたらごめんなさい!

  • #3

    be (金曜日, 26 11月 2010 09:26)

    説明不足でもうしわけありません。

    兄弟間の問題ですが、二男は鉄道が好きでその情報を集めて自分で楽しんでいます。その行為自体長男にとっては「キモいオタク」という言葉になってしまいます。そして二男と顔を合わしたたびに「キモ」「キショ」という言葉を繰り返します。
    二男側からみると長男は多動、多弁、衝動性があるのでその一連の動き等が気になって、うっとうしくてしかないようです。
    食事時は隣同士に座っているのですが、二男の脚が長男に少し触れるだけで二男は叩かれています。
    二男はやっと最近自分の気持ちが少し話しできるようになったのですが二男にとってお兄ちゃんは”頭がおかしいひと”となってしまいました。
    二男は人と関わるより自分ワールドを大切にしていく方ですが、長男は関わりかたはへたくそですが関わりたい方です。
    もっと二人が小さい頃は長男がおもちゃの刀で二男を叩き続けるということもありました。二男は「やめて」と泣く。…長男は遊びたいのだけど二男との関わりかたがわからず二男からは拒否されつづけた…。
    こんな感じでこじれてしまったのです。

    長男には告知もし、薬を飲む大切さを何度も話しているんですが理解してくれません。勝手に服薬をやめて学校でも家庭でも大変なことになり自分自身でも思い知っただろうと、考えるんですが…「ボクには薬はいらない」などまだ、言ってます。ADHDの場合、回りの困り度は大きいけれど本人の困り度はそれほどでもないのかぁなんて思います。だから長男が「ボクは普通だから病院にはいかない」なんて言葉がでるのでしょうか?
    児相の先生は長男が来院するまでまちますと、言って貰ってますが長男が薬のメリットを感じてないのなら通院にたどり着くまでにの道が見えませんね。
    薬調整も気になっていたところなんですがねぇ。

    わかりやすいお答えでした。
    ありがとうございます。

  • #4

    ガチャピン (月曜日, 29 11月 2010 02:09)

    はじめまして・・・
    長くなってしまいますがお話しさせて下さい。

    我が家の三男(小3)は3才時に大病をして1ヶ月入院しました。(現在も大きな後遺症が残り薬の服用を続けています)退院後保育園を嫌がり通えなくなってしまい、小学校も1年生の夏休み前まで(学校で気分が悪くなってしまったことが不安で学校に行くと又同じ事になると思い込んでいます)と学年が変わり2年生の4~6月まで通っただけであらゆる事に不安や緊張が強く3年生からは1日も通っておりません。(ストレスに脆弱で・・嫌だった事は小さな事でも何年でも忘れられなくて、忘れたい・・忘れさせて欲しい・・と泣いていたことがあります。入院したときのことも忘れられなくて、今も苦しいようです)
    1年半位前から発達精神科に通っています。(現在は本人は行っていません。薬だけ貰いに行ってもらっています)診断は広汎性発達障害と全般性不安障害です。今年の6月よりお薬を飲み始めましたが、副作用が出てしまい、何度かお薬を変えて今ようやく同じお薬で少しずつ増量して効き目が現れるの様子を見ている状態です。

    お薬を飲む前、学校には通っていなくても外に出られていたので、親子で興味のあるものを見に行ったりお散歩をしたり外とのつながりも持っていましたが、今年の夏に本人にとって大きく不安になる出来事があってから本人が家の外に出ることができなくなりました。
    続いて1人で留守番できなくなり、(上の二人の兄達が一緒に留守番してもらえる時間帯しか私が外出できなくなりました)そして10月からは私の外出が全てダメになり(時にはインターホンの対応に玄関に出ることすらダメでした)誰がいても一切家からでられなくなっています。(上の子供達の用事や買い物も全く行けません・・今は少し庭にだけ出ています)
    家の中では比較的穏やかで大変明るく元気に笑って過ごしていてくれるのが救いですが・・・家族の生活も限界になってきて(家の中に人が出入りすることも激しく拒否するため出来ません)お電話で相談できるようなところ(本人がいつも近くにいるのでなかなかお電話でもお話しづらいのですが)を探してみていますが、どこもひきこもりに関しては15才以上の方が対象です・・ということで、この年齢で相談できるところがありませんでした。市がやっている不登校支援のような機関にも少し通っていたのですが、長く通えないのなら・・とつながりを絶たれてしまっています。
    主治医の先生はお薬の効き目がもっと出てくれば、きっと外にも出るようになるとおしゃって下さっています。本人が「お母さんを外に出してあげたいのに・・出来なくてごめんね」って気にして苦しんでいるのが分かるので・・何とか気持ちに沿ってあげたいと思っています。
    そんな中でインターネットを開いていると息子が大好きな鳥のかわいらしい絵とともに先生のところにたどりつきました。
    なにをご相談したいのか・・書いているうちに分からなくなってしまいましたが、書きながら気持ちが整理されていくのを感じました。
    長いとりとめのない文を読んでいただき本当にありがとうございました。
    感謝しています。

  • #5

    child-mental-health (火曜日, 30 11月 2010 23:49)

    > ガチャピンさん
    コメントありがとうございます。
    このブログを書きながらイラストを描くのもかなり楽しんでいるので,鳥の絵から入ってくださったことがとても嬉しいです(笑)。
    三男さんのこと,ご心配ですね。ご家族もいろいろ大変ですよね…。
    いただいたコメントを読む限り,誠実に対応してくださる先生と既に出会っていらっしゃるし,今後の展望を予測しながら治療を受けていらっしゃるようなので,それは安心だなぁと感じました。
    お母さんは受診のためなら今も外出できる状態なのでしょうか。
    まずは三男さんが過ごせる場所で三男さんに安心感や自信をもってもらえるような関わりを大切にしたり,お母さんご自身がリラックスや息抜きができるような時間も意識してもっていただくことが大事なのかな,と感じました。
    勝手な感想みたいなレスになってしまってすみません…。
    また遊びにいらしてくださいね。

  • #6

    child-mental-health (水曜日, 01 12月 2010 00:02)

    > beさん
    お返事遅くなってすみません。
    息子さんおふたりの仲を取りもつというよりも,少し物理的に距離をあけてあげるほうがお互いに楽なのかもしれませんね。仲を引き裂くわけではなくて,不必要に衝突しなくて済むくらいの距離を保つという感じでしょうか。たとえば,食事の席も何か理由をつけて足が当たらない位置関係になるよう変えてあげるのももしかしたら有効かも…?

    長男さんのお薬の件は,どうしてもまわりが一生懸命ご本人に飲んでもらおうとすればするほど「飲まされたくない」と拒否感が出たりするので,ご本人が自分の困っていることに対してお薬を使ってみようと考える,という流れができるまではちょっと難しいかもしれませんね。きっとご本人の目線でも困っていることがあるだろうとは思うのですが…。

    なんだかお役に立てずにごめんなさい。

  • #7

    ガチャピン (水曜日, 01 12月 2010 00:34)

    お忙しい中お返事いただきありがとうございました。
    イラスト先生が描かれたものなのですね・・・ 
    とても表情が優しくて可愛らしい小鳥、癒される素敵な絵だなあと思っています。息子も鳥と絵を描くことが大好きで(今は意欲がありませんが)庭に来るメジロやシジュウカラ、川にいるサギなどを描いて楽しんでいました。
    今お薬は父親が会社を休んで取りに行っています。全く私の外出は許されない状況です。
    受験生もいて大変難しい状況ではありますが、少しでも家が安心して過ごせる場であるように・・・と前向きに明るく頑張ります。
    また遊びに寄らせていただきますね。ありがとうございました。

  • #8

    be (金曜日, 03 12月 2010 17:35)

    アドバイス参考にいたします。
    「本人の目線」という言葉にハっとしました。
    子供たちのためにこうしよう、ああしようなどは「親目線」だったかもしれません。子供の立場になって物事を考え直すのも大切ですね。
    ADHDについてのエントリ興味深く読ませていただいています。
    続きが楽しみです。ありがとうございました。