ずっと心配ない子だったんです…

昨日の記事とも関連しますが,親御さん同士のお話から私たちは本当にいろいろ学ばせていただいています。

いつだったか,親御さんに集まっていただく機会のなかで,ミニ講義的な話をさせていただいたときのことです。

 

みなさんとても熱心に聞いてくださって。

 

そのなかで,ある親御さんがこんなふうにおっしゃいました。

 

「うちの子は,大学に入るまでずーっと何の心配も要らない,いい子だったんです。それが,大学に入ってひとり暮らしを始めて間もなく,ひきこもってしまって…。今はこうしてまた一緒に暮らしながらやり直し始めているけれど,きっとずっとしんどかったんだろうな,もっと早く気づいてやれなかったものだろうか,ってつい考えてしまうことがあるんです。」

 

それを聞いて,何人ものお母さんから「うちも,ずっと心配ない子だったんです」「私も気づいてやれなくて…」と声が挙がりました。

 

でも,でも。

それは違う,って私は思うのです。

 

親御さんが当然気づくべきことに気づけなかったというわけじゃなくて,気づくのが無理なくらいお子さんのほうがずっとがんばってこれていたということ。

 

お子さんにとって,思春期の一日一日は新しい経験の積み重ねだったはずです。

 

どんなときに「これは無理だ」と判断すればいいのか,「こんなの普通じゃない」って感じていいのか,「困ってる,助けてほしい」って言っていいのか…その判断だって,まさに試行錯誤。

 

「このくらい自力で何とかしなきゃ」「これは耐えなきゃいけないだろう」と自力で乗り越えてきたからこそ,そこまでは親御さんからみると何も心配が要らない状態で過ごせてきたわけです。

 

でも,ついにその限界が来て,そこで初めて「ひきこもる」という選択をした…。

 

しばらく止まっていた社会との関わりを,またここからゆっくり始めていけばいいですよね。

 

「そんなにひとりでがんばらなくてもいいんだよ,おとなになっても誰かに弱音吐いたり相談したりしていいんだよ」って,お母さんお父さんに見守ってもらいながら。

 

もちろん私たちも一緒に応援させていただきますから。

 

ひきこもる時点までいろんなことをひとりで抱えてがんばってきたお子さんの底力をぜひ信じてあげて,また元気にはばたく姿がみられるようにサポートできたらいいですよね。

 

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