ASD(5) 心の理論のお話

今回も自閉症スペクトラムの話ですが,ちょっと脱線して…,

先日登場した「心の理論」について少し書いておこうと思います。

 

「心の理論」をものすごく大雑把に言うと,「自分の頭の中にある情報と相手の頭の中にある情報は違う」とわかっているかどうか,ということになります。

 

自分はこういうふうに思うけど,相手がそう思っているとは限らない,ということでもあります。

 

「心の理論」が獲得できているかどうかを確かめる方法として「サリーとアンの課題」というのがとても有名です。

 

タロウとハナコに置き換えて,ちょっと紹介してみますね。

(どっちの子がサリーだったか忘れちゃったので,どちらでもない設定にしました…。)

 

 

タロウくんとハナコちゃんがいます。

 

ハナコちゃんはピンク色のボールをもっています。

 

そばには,カゴと箱があります。

 

 

 

 

ハナコちゃんはボールをカゴに入れてどこかへ行ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タロウくんはこっそりボールをカゴから箱へ移してその場を去りました。

 

 

 

 

 

 

 

そこへ,ハナコちゃんが戻ってきました。

 

ボールで遊びたいハナコちゃんは,まずどこを探すでしょうか?

 

タロウくんも,この状況を見守っている私たちも,ボールが本当は箱の中に移されていることを知っています。

 

でも,その場にいなかったハナコちゃんは知りません。

 

なので,ハナコちゃんはまずボールはカゴに入っていると思ってカゴの中を探す,というのが正解です。

 

これが,自分の頭の中と相手の頭の中にある情報は違うことに気づいているということのひとつの例になります。

 

それを前提に話ができるかどうかで,人付き合いのスムーズさはずいぶん変わりますよね。

 

自分が当然わかっていることでも,相手は全然知らないかもしれない。

 

自分にとってあたりまえのことでも,相手はそう思っていないかもしれない。

 

相互性を意識して相手とやりとりするために必要な能力のひとつが「心の理論」。

 

もしも身近なところに相手とのやりとりが難しそうなお子さんを見掛けたら,心の理論がうまく身についていないのかも…というところを意識して,「あなたの思いはよくわかったよ,でも△△ちゃんはもしかしたらそう思っていないのかもしれないね?」って丁寧に伝えてあげていただけたら嬉しいな,と思います。

 

発達障害について・各論