2011年

1月

05日

ASD(7) 3つ組以外の特徴は…

ちょっと久しぶりに自閉症スペクトラムのお話です。
3つ組についてはひととおり書いてきたので…,

3つ組以外にもわりとよくみられる自閉症スペクトラムの特徴についてふたつ触れておきたいと思います。

このふたつについては,診断基準には含まれていませんし,自閉症スペクトラム特性をもつすべてのひとにみられるというわけではないのですが,比較的よく現れる特徴です。

 

今回はまずひとつめ,感覚の偏りについて。

 

人間の感覚には,五感というとおり視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の5つがあります。

 

それぞれについて,とても鋭かったり,逆に鈍かったり,といった感覚の感じかたの極端さがみられることがあるのです。

 

たとえば聴覚なら,雷や花火みたいな突然の大きな音がとても苦手だったり,小さい声ののコソコソ話がとてもよく聞こえていたり,自分に向けて話されていても全然聞いていなかったり。

 

触覚なら,ちょっと当たっただけでもものすごく痛みを感じたり,まわりの人から見ると大怪我のようでも本人はさほど気にしていなかったり。痛みに限らず,誰かに身体を触られることが極端に苦手なことがあったり,特定の生地の肌着でないとチクチク肌に刺さるように感じることがあったり,ハイネックの洋服が首まわりの皮膚に触れるのが耐えられなかったり,なんてこともあります。

 

味覚と口の中の粘膜で感じる触覚の関係で,食べものの好き嫌いがみられやすいということもあります。こどものときからウニやナマコといったいわゆる通好みの珍味がとっても好きだったり,水以外の飲みものはお茶もジュースも一切受けつけられなかったり。味はともかく歯ごたえが苦手(キュウリを噛むとき歯がきしむのがイヤとか,マシュマロの食感がダメとか…)というお話をお聞きすることもよくあります。

 

以前,ミネラルウォーターの銘柄を区別できたり,お米の味の微妙な違いがわかったりするほど味覚が研ぎ澄まされているお子さんにお会いしたときには,「将来はソムリエとか食品の品質管理とか商品開発とか,この味覚の敏感さを活かして仕事をすればいいのに,って思ってますよ」と笑いながら話してくださったお母さんに思わず大きく頷いてしまいました…。

 

感覚は感じている本人にしかわからないもの。

なので,「これは痛くてイヤ」とか「この音がつらい」とかいくら一生懸命主張しても「このくらい平気でしょ」「みんな我慢してるんだからがんばりなさい」と無理に耐えさせられてしまうということが起こりやすいのが難しいところです。

 

「あぁ,この子はこういう刺激には弱いんだな」ということが感じられるような場面がもしあったら,どうか寛大に配慮してあげていただけたら嬉しいな,と思います。

 

そして感覚の苦手さは,そのとき感じているストレスによって変化することがよくあります。

 

つまり,お子さん本人にとって過ごしやすい環境が得られていれば,さほど苦手さが目立たずに済むということがあるわけです。

 

急に苦手さが目立ってきたときには「あれ,なんかストレス感じてるのかな?」という視点で見守っていただけるとさらにありがたいです。

 

どうかよろしくお願いします!

 

自閉症スペクトラム

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コメント: 4
  • #1

    rinrin (水曜日, 05 1月 2011 19:22)

    またまた私の悩みにぴったりの記事でした。
    ハイネックがどうしても着れない、音が教室程度のざわつきでも襲ってくるように感じて耳をふさいじゃう、その他にも匂い、光など感覚の過敏さで悩まされることは多々…自閉症ではないけれど、これらの症状がとっても出ています。
    その苦手さって本人はどう対処したらいいんでしょうか?

  • #2

    ポンチョ♪ (水曜日, 05 1月 2011 22:01)

    私自身も聴覚過敏があります。(自己診断ですが)
    小さい頃から苦手な音が色々ありました。ゴムボールや風船の弾む音、鈴や風鈴の音、エコーのかかった音などなど。今でも残っていますが、疲れがたまっていたり寝不足が続くとその音に対する敏感さが極端に高くなって耐えられなくなります。そうなったら「ああ、疲れてるんだな。」とか「ちょっと横にならないと」と感じ一種のバロメーターとなっています。

  • #3

    child-mental-health (金曜日, 07 1月 2011 17:25)

    > rinrinさん
    コメントありがとうございます。
    自分での対処法,これは本当に人それぞれだと思うのですが,たとえば避けられるものは避ける(ハイネックは着ない),サングラスやアイマスク,耳栓,イヤーマフなどいざというとき自分を守る道具を常備する,耐えられないときにはさりげなくその場を離れる,親しい相手には自分の苦手さを知らせておく…といったところでしょうか。
    やはりストレスが溜まってくるとより強く症状を感じるようなので,日頃から疲れを早めにリフレッシュしておくことも有効かもしれません。
    うまく対応できるとよいですね!

  • #4

    child-mental-health (金曜日, 07 1月 2011 17:28)

    > ポンチョ♪さん
    コメントありがとうございます。
    そうですね,たしかに自分のコンディションに警鐘を鳴らしてくれるという面があると思います。ポジティブなとらえかたをされていてステキですね♪
    音に過敏になってきて「これはまずい」と気づいたら早めに休息をとったりリラックスする工夫をしたり,そういうことはとても大事だと思います。