クラクラする,元気が出ない

お子さんが朝なかなかすっきり起きられなかったり,布団から出るとクラクラしたり,なかなかエンジンが掛かってこない…。

朝はお子さんにとって登校前の忙しい時間。そしてお仕事をもつお父さんお母さんにとっても慌ただしい時間。

 

ごはんを食べたり着替えたり,てきぱき準備してほしいのに…と親御さんはとってもやきもきされるかもしれません。

小学校高学年~中学生くらいにみられやすいこういう症状は,もしかしたら起立性調節障害かもしれません。

 

起立性調節障害は,精神科の疾患ではありません。

 

朝布団から出たときにいわゆる立ちくらみのような症状があったり,起き上がってしばらくしてからクラクラしたり…症状のタイプはいろいろありますが,共通して自律神経系の調節がうまくいっていないことが原因ではないかといわれています。

 

たとえば,寝そべったり座ったりしている状態から急激に立ち上がると,身体の血管のなかの血液は重力に引っ張られて足のほうへ下りていきます。そのままだと心臓に血液が戻らなくて上半身,特に脳に送られる血液がとても少なくなって脳が一時的に貧血状態になってしまいます。

 

通常なら立ち上がるなど姿勢を変えたときには自律神経の働きにより足などの血管がキュッと締まってちゃんと心臓のほうへ血液を送り返してくれるのですが,そのはたらきがうまくいかないために脳が酸素不足になる,というのが起立性調節障害の一般的なメカニズムです。

 

この症状のために精神科を訪れるという患者さんはあまり多くありませんが,抑うつや不安など心の不調を合併しやすかったり,不登校のお子さんにわりとよくみられる症状だったりするので,お会いしてみたらこの症状ももっている,というお子さんは結構多いように感じます。

 

診断するには座ったときと経ったときの血圧変化を比べたり,間隔を開けながら数回血圧を測って比較したり…といった検査を行います。

 

 

対応・治療法

 

血管が必要なほどにはシャキッと締まらない,というメカニズムがわかっているので,血管を収縮させるようなお薬や自律神経のうち交感神経系のはたらきを活発にしてくれるお薬(結果として血管を引き締めてくれるようなもの)を使ったりすることもあります。

 

症状がそれほど重くない場合には,たとえば立ち上がるとき血管収縮が間に合うように時間を掛けてそーっと姿勢を変えるとか,少し血圧が高くなりやすいよう塩分や水分を意識して多めに摂ったりするとかいった日常生活上の工夫が有効なこともあります。

 

おうちでいちばん大切なことは,お子さんが怠けている・やる気がないからぼんやりしているのではない,わざとぐずぐずしているのではない,ということを親御さんや学校の先生が理解してゆったり見守ってあげることだと私は思います。

 

お子さんは自分でも冴えない気持ちを抱えているはずです。

動けるものならシャキシャキ動きたい,と思っているはずです。

 

場合によっては,学校に遅刻したり欠席したりすることもあるかもしれませんが,どうかゆったりした気持ちで見守ってあげて,あたたかいことばを掛けながらお子さんが余裕を持って朝動き出せるようにフォローしてあげてください。

 

お母さんお父さんに信頼して見守ってもらいながら,お子さんがじっくりと自律神経のバランスの乱れを整えることができる…そんなイメージで関わってあげていただけたら嬉しいです。

 

お子さんの症状について