2011年

2月

15日

「学校が楽しくない」って言うんです…?

これも診察のなかで,たびたび話題になる悩みです。

学校が楽しいと感じられない,学校なんか楽しくないとお子さんから言われる,といったご相談。
お子さんは登校渋りがあったり,不登校だったり。

「学校なんて行っても無駄だと思う。心も晴れそうにないし…」
「うちの娘が『学校が楽しくない』って言うんですよ」


学校が楽しくない…それは毎日大変だろうと思います。
でも,そもそも学校って「楽しいから行く」という場所ではないですよね…?

もしも学校をとても楽しい場所だと感じられれば,それはものすごくラッキーなこと。
普通は学校生活の2割くらい楽しいと感じられればそれで十分O.K.,というくらいかもしれません。

学校は,おとなになったときお子さんが困らないよう,必要な知識を身につけたり経験を積んだりするところ。

それは,勉強の中身はもちろん,同じくらいの年齢のひとたちが異なる意見を持ち寄って話し合いながらまとめていく経験とか,お互いにルールを守りながら集団生活を送る経験とか,困ったときに誰かに相談することとか,オン(授業)とオフ(休憩)のメリハリをつけることとか…。


学校生活って,結構大変です。

それでも,おとなになったとき社会生活にうまく適応できるように,学校生活で練習をしておくことにはとても意味があります。だから中学校までは義務教育だし,こどもたちが教育を受ける権利も保障されているわけですよね。

高校や大学は行っても行かなくてもいい場所ではあるけれど,社会に出たときに自分にとって役に立つであろう知識や経験を身につけることができるところ。社会に出てからできることの幅を広げることができるし,どの学校にもがんばって通う価値はきっとあるんじゃないかな…と私は思います。

たとえ,あまり楽しいとは感じられなくても。


単に「楽しくない」というのは学校に行かない理由にはならないと思っている私ですが,楽しくないどころかもしも学校で深く自分を傷つけられるような体験をしているとしたら,そしてその危機から誰も守ってくれないような状況にあるとしたら…,

それは学校へ行かないという選択をすることも考えないといけないな,と思います。

親身になって自分の味方をしてくれるおとなの力も借りながら,安全な環境を取り戻すことが先決。

「学校が楽しくない」とお子さんから打ち明けられたら,その真意にしっかり耳を傾けてあげていただきたいな,と思います。

こんなときどうする

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コメント: 6
  • #1

    foo (水曜日, 16 2月 2011 06:08)

    ずいぶん前(今のように不登校に全く理解がなかった13年前)に中2から中3まで学校に行かなかった男子に関わったことがあります。

    理由はただ友達と掃除の時間にふざけていただけなのに、担任に一方的にたたかれたとのこと。

    彼の母親は何度も担任に掛け合いましたが、自分の非を認めなかったために息子の言い分を全面的に信じて私のもとへ相談に来ました。
    話を聞くと彼が言うのは納得がいく内容でした。

    もちろん私も信じました。(後日、その担任は暴力教師として新聞にも出たようで異動したようです)

    それから毎週彼と向き合い、不登校は進学先もないと言う学校の態度にびっくりしながら彼と一緒に受験先を調べて高校を決めて合格を目指して国語は自分で、英語は私、数学は塾と綿密に計画をたてて受験に挑みました。

    結果は無事合格し、高校、大学にはちゃんと通学でき、今は中国でバリバリと仕事をしています。
    本人曰く、「学校へ行かなかった1年半は苦しかったけど高校へは行きたいという思いがあったから目標があれば決して無駄ではなかった」と。



    学校へ行かないという選択、私はあり得ると思います。
    ただそれには裏づけもとらないといけないし、本人、学校、保護者、友達などいろいろと連携しながらの情報収集も必要です。


    とにかくじっくりと耳を傾けてあげるということは本当に大事だと思いますね。


    そういえばその不登校の彼は私に高校受験に付いてきてほしいと言うので雪の降る日に一緒に学校まで行きました。
    ちょうど今頃の季節でした・・・


  • #2

    ひなあられ (水曜日, 16 2月 2011 11:15)

    まさに昨日の朝、「学校に行きたくない」という息子の言葉を聞きました。
    昨年末に本人ではなく周囲から「学校でいじめられているらしい」と
    情報をもらい、今年に入ってから担任に相談しました。
    担任の先生もまったく無関心というわけではないのですが、対応しきれて
    いないというのが親である私の実感です。
    息子には軽い発達障害があり、療育センターに通ったことも、専門の
    医師に診察していただいたこともあります。
    確かに障害の特徴ともいえますが、鼻に付くような言い方をしてしまったり、
    空気を読めないところはあります。ただ、本当に軽度のため(診断名を
    つけるとしたら高機能自閉症かアスペルガーにすると思いますが、
    診断名を付けるほどではないと医師には言われました)、ただの空気の読めないやつ、
    変わったやつ、性格のよくないやつと思われているようです。

    担任の先生には障害のことは伝えてありますが、本人も含めて子ども達には
    障害のことはまだ話していません。

    息子の感じ方がわからないので、本人がどれだけ苦しい思いをしているのか、
    どういうふうに導いてあげたらいいのかがわからず、悩んでいます。
    コメント欄に書く内容かどうか悩んだのですが、お話を聞いていただきたくて
    コメントさせていただきました。

  • #3

    child-mental-health (水曜日, 16 2月 2011 16:49)

    > fooさん
    コメントありがとうございます。そして,とてもリアルに悲しくて,でも嬉しくなれるエピソードを聞かせていただいてありがとうございました。
    こどもたちが学校に行こうとしなくなるのにはやっぱり何らかの理由がありますよね。
    その思いに真剣に向き合ってくれるおとながいて,常識とか体裁に振り回されずに「休むのもO.K.」って言ってくれることは本当に彼らにとって救われることなんだろうな,と感じながら読ませていただきました。
    大事なのは今学校に行けるかどうかじゃなくて,自分を大事にして,自分に自信をもって生きられるおとなになること…それを見失わずに支援ができたらいいな,と私自身も改めて思いました。

  • #4

    child-mental-health (水曜日, 16 2月 2011 17:26)

    > ひなあられさん
    ありがとうございます。息子さんのこと,ご心配ですね。
    書いてくださっているとおり,発達障害特性が比較的軽微であるために却って「このくらいできてあたりまえなのに」と周囲からの期待が高くてに余計苦しくなることが多いように思います。
    大事なことは特性が軽微かどうかじゃなくて,今そのために困っているかどうかなんですよね…。
    学校の先生のフォローが間に合っていない感じもあるのだろうと思いますが,たぶん本当にいろいろなことでいっぱいいっぱいになっていらっしゃるんだろうと思うので,先生のことは折に触れてねぎらったり感謝したりするくらいのつもりのほうがいいのかもしれませんね。
    息子さんはきっと理解力も結構おありなんだろうと思うので,もしも息子さん自身が「どうやったら友達とうまくいくんだろう?」という疑問を感じているようなら,実際に友達とどういうやりとりをしたのかを具体的に尋ねて,「思ったまま伝えるのもアリ。だけど,“本音と建前”を使い分けるのがカッコイイおとなへの道」みたいに必ずしも正直で正しいことばかりがベストとは限らないことを少しずつ説明してあげてもいいかもしれませんね。「嘘をつくのはよくない」という原則を人付き合いにもまるまるあてはめているお子さんもときどきいらっしゃったりするので…。
    あまり詳しい状況がわからないまま想像で書いてしまっているのでとんちんかんなお返事になってしまっていたらごめんなさい。

  • #5

    ひなあられ (木曜日, 17 2月 2011 11:38)

    お返事ありがとうございました。
    「正直で正しいことばかりがベストとは限らない」…まさにこれが
    私が今息子に理解して欲しいことです。
    確かに息子の言っていることは正しいことばかりです。ただ、その
    無駄な正しさが、小学5年生男子としては面白くないのだろうと想像
    できます。周りの子が掃除をサボっているから担任に言いに行く、授
    業中うるさいからとブツブツ言う。そういった行動が周りの子ども達
    に悪印象を与えたのでしょう。少し前には軽い暴力を受けていたよう
    ですが、それは担任の先生のご協力によってなくなったと本人から聞
    いています。
    今は事あるごとにからかわれたり、馬鹿にされたり…一つ一つは殊更
    に騒ぎ立てるほどのことではありませんが、毎日毎日の積み重ねで息
    子もいっぱいいっぱいに。そこに家庭でのちょっとした躓きが引き金
    となって、学校での辛い出来事を思い出し、「学校に行ってもいいこ
    となんて何もない」「行きたくない」ということを言うようになった
    ようです。昨年末にいじめのことを聞くまで、何にも気付いてあげら
    れなかった自分にショックを受けました。

    将来のことを考えると、正しいことは正しいと判断できる力を持って
    いて欲しいと願っていたあまり、正しいことならば必ず認められると
    いう考え方を植えつけてしまったのかと、私も反省したり後悔した
    り…
    息子にどのようにしてもう少し柔軟な考え方を伝えようかと悩んでい
    ましたが、お返事にあった「本音と建前を使い分ける」という言い方
    は私の中にもスッと入ってきました。是非息子に伝えてみたいと思い
    ます。
    先生に対しての接し方もとても参考になりました。あまりにも色々と
    思い悩むあまり、先生への感謝の気持ちを忘れてしまうところでし
    た。気づかせていただきありがとうございました。

  • #6

    child-mental-health (土曜日, 19 2月 2011 01:04)

    > ひなあられさん
    お返事ありがとうございます。
    本音と建前を使い分けるのは義務ではないけれど,使い分けるというやりかたもアリ…というところがうまく息子さんに伝わるといいですね!
    またいつでも遊びにいらしてくださいね♪