抗不安薬について

今回は,抗不安薬のお話です。

抗不安薬も,睡眠薬と同じくらい広く使われているお薬。よく「軽い安定剤」と呼ばれているものはこの分類のお薬を指していると考えてよいと思います。

抗不安薬は,文字どおり不安を和らげるお薬。不安・緊張といったこころの変化や,緊張にともなう筋肉のこわばりを緩めてくれます。

睡眠薬と同じく,とてもいろいろなタイプの抗不安薬があって,作用時間や強さ,効き目の特徴,それから場合によっては一緒に飲む他のお薬との相性などによって細かく使い分けられます。

たとえば,こころをぐっと落ち着かせたいときに使うお薬と,筋肉が緊張しすぎて頭痛がしたりするときに使うお薬は違ってくる,という感じです。

抗不安薬はうまく使うと心身ともにリラックスできる効果がありますが,効き過ぎると必要以上に眠気が目立ってしまって肝心なときに集中できなかったり,筋肉の力が緩みすぎてしまって転びやすくなってしまったり,という副作用が出ることもあり,使う量やタイミングには注意が必要です。

眠気が出たり筋肉に力が抜けたりするのは,日中に活動するときには困ること。ですが,これから眠ろうとするときにはむしろ睡眠を促してくれる嬉しい効き目ということになりますよね。

じつは,抗不安薬の多くは,前回お話しした睡眠薬と共通のはたらきかたで効果を示しています。なので,睡眠薬では効き目が強すぎてどうしても使いづらいといった患者さんには,睡眠薬代わりに抗不安薬をお出しすることもあったりします。

抗不安薬も睡眠薬同様,だらだらと長期間使うべきお薬ではなくて,たとえば何か緊張するできごとにチャレンジするのにお薬の力を借りてリラックスして臨んでみてうまくいく…という体験を積み重ねることで,お薬がなくてもがんばれる自信を取り戻していただくといったふうに使うのが理想です。

たとえば,学校に行くのにとても緊張するお子さんが,朝起きてすぐに抗不安薬を飲んでリラックスして登校する,というのを繰り返すうちに,いつのまにかお薬を飲み忘れていても平気で登校できるほど自信がついていく…といった感じでしょうか。

お薬に頼る気持ちを断ち切るため,お薬をゼロにして不安に挑みましょう!という立場の治療法(不安に対する認知行動療法のひとつのスタイル)もあるようですが,どちらかというと私自身は「今もいちおうお守り代わりにお薬はもっているけど,もう全然飲むことはなくなりました」という感じでお子さんに服薬を卒業していただくことが多いように思います。

どちらにしても,一生お薬を飲み続けないといけない,というイメージはもたず,必要な期間だけ頼らせてもらうくらいのスタンスで使っていただけたら嬉しいな,と思います。

お薬の話

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    緊張し-小学生 (火曜日, 24 12月 2013 23:58)

    私は、小学6年生で受験生です。緊張して、本番で頭が回らなくて困っています。薬を、のむには速いかな?とおもっています。なので、薬を飲まずに我慢しています。いい方法は、ありませんか?
    病院に、母親と行きましたがどうにもならないといわれました。