自分を応援するということ。

小学生から大学生まで,「みんなの前で発表するのが苦手」と診察室で打ち明けてくれるお子さんは結構よくいらっしゃいます。

家族で話をしたり,診察室で話してくれたりするときは。とても元気で,ユーモアも交えてくれたりするのです。

でも,授業になると「当てられたらどうしよう」「答えを間違ったら笑われるんじゃないか」とすごく緊張して,教室から走り出たくなることもある,とか…。

いつだったか,高校生の男の子が「化学の授業で,自分の考えた研究をみんなの前でプレゼンしないといけなくなって,本当にピンチです」と,とても心配そうな顔で話してくれて,私までドキドキ。

詳しく話を聞いてみると,発表する内容はほぼまとまっているのですが,「『質疑応答』っていうんですか? 終わったあとにいろいろ突っ込まれるのが怖くて…」と不安顔。

「たとえば,こういうとこ突かれると痛いんですよね…」と実験計画が万全じゃなかった部分も自分で意識していて,「突っ込まれると困るから,自分から『こういう可能性もあるので次の機会に検討したいです』って言っちゃうつもりです。もう,やるしかないですよ」とその日は絞り出すように言い残して帰っていきました。


その次に彼が来てくれたとき。

 

「いやー,なんとかうまくいきました」と照れたような笑顔で教えてくれました。

「やっぱりすごく緊張したけど『できるできる,俺は大丈夫』って自分に言い聞かせたら,ちゃんとできましたよ。心配なことも先回りして全部自分から喋ったから,質問も出なかったし」

とっても晴れやかな彼の表情を見て,私も嬉しくなりました。


うまくやれるかな,って心配になったとき,自分を自分で励ませるようになっている彼…それって本当にとても大切なことだな,と思ったんです。

自分の力を引き出すも引き出さないも自分自身に掛かってる。

自分を励まして,いい結果が出せて,ますます自信がついて,それがまた次の結果につながる…ステキなループが生まれますよね。

誰かに元気づけてもらうのもいいけれど,自分自身が自分の力を信じて動けるなら,それがいちばん。

いちばん身近で強力な応援団を自分自身が結成すること。

私もうまくやりたいなと思ったし,診察室でお会いするほかのこどもたちにもこの技をぜひ広めてあげたいな,と思いました。

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