ゴールじゃなくて…

ひきこもり傾向のあるお子さんのことでお母さんだけが相談を続けていらっしゃるうちに,ずいぶんたってひょっこりお子さんご本人が診察室を訪れてくれることがあります。

ご本人が大きな一歩を踏み出してくれた,とっても嬉しい瞬間です。


こんなときは,何はともあれ来院してくださったことをねぎらって感謝して,ご本人からも少しずつお話を聞かせていただきます。

もちろんおひとりおひとりの思いは少しずつ違いますが,だいたいこんな感じで打ち明けてくださることが多いような気がします…,

「このままじゃいけないと思ってた。」

「親が病院に通ってるのは聞いてたし,知ってた。」
「これまでも何度か『一緒に受診しよう』と誘われてたけど気が進まなくて…」

「いきなり就労するのはまだ無理だと思うけど,人と一緒に何かをすることに少しずつ慣れたくて来てみた…それが自分の苦手なことだから」


ここへ至るまでには,本当にいろいろなできごとがあって,それを乗り越えてこられたんだろうと思います。

何よりありがたいのは、親御さんの根気よさ,粘り強さ。

お子さんが一歩踏み出す準備を整えるのを,じっくり待ってくださっていたんですよね。


親御さんのこれまでのご苦労もめいっぱいねぎらいながら,でもお子さんが受診してくださったことはゴールじゃなくて新たなスタートなので,これからもたくさん親御さんのお力を貸していただきつつ,私たちにできることをここから提供させていただくわけで…。

ご本人自身の力も得て,より強力になったチームとしてみんなでがんばっていけたらいいな。

そんな思いをお伝えしながら,少しずつご本人と社会とのつながりを広げていこうと思っています。

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