2011年

4月

21日

発達障害と手帳 その1

発達障害特性をもっている患者さんが診察室へ来てくださったとき「障害者手帳って取れますか?」と聞かれることがあります。

あるいは,支援職のスタッフから「こういう方の相談を今受けているのですが,手帳の取得はできますか?」と問い合わせを受けることもあります。

このブログを読んでくださっている方のなかにも,「自分は/自分の家族は障害者手帳がもらえるのだろうか?」と気になっていらっしゃる方もあるかと思うので,少し記事にしておきたいと思います。

まず,発達障害特性をもつ方のなかで,知的な難しさを抱えている場合には,療育手帳の対象になります。

療育手帳は各自治体の児童相談所にあたる機関(自治体によって名称が違うかもしれません)で発行してもらえます。

療育手帳を取得するには,「知的な遅れがある」という医師の診断書と,児童相談所で行われる心理検査による判定の結果が必要です。

心理検査によって知能指数(IQ)を算出します。IQの値はそのときのコンディションによっても若干異なるでしょうし,常に固定した数値というわけではないのですが,便宜上検査を受けた結果の一発勝負で判定が決まることが多いように思います(追記:Twitterでご指摘いただきましたが,この判断方法は自治体に方針によって多少変わってくるようで,お子さんの生活上の困難さも総合的に含めて判断するというところもあるようです。ご助言ありがとうございました!)。

療育手帳という名称はいかにもこどものものというイメージですが,実際には成人してから初めて療育手帳を取得する方もいらっしゃいます。18歳以上の方が療育手帳を取得するときには,知的障害者更生相談所という機関で心理判定や手帳の発行が行われます(自治体によっては児童相談所にあたる機関に併設されていることもあります)ので,18歳以上の方はお住まいの地域の児童相談所などへ事前に確認しておくほうが手続きがスムーズに行くかもしれません。

最近は知的障害は伴わないけれど発達障害特性をもっていて社会生活のなかで困難を抱えている方も多くいらっしゃって,手帳の取得を希望されることも増えてきました。

一部の自治体では,このようなケースでも療育手帳を発行するところもあるようですが,IQの数値が高いために取得できないという判定が出る地域のほうが多いだろうと思います。

その場合はどうすればよいか?…それは次回に続きます。

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