「時代が締め出すこころ」

連休中なので,堅苦しい記事は書かないことにして。

今,青木省三先生の新刊「時代が締め出すこころ」を読んでいます。

発達障害について,うつ病について,薬物療法について…豊富な臨床経験に基づいた先生の考察がぎっしり詰まっています。

特に青年期以降の発達障害に関しては,今までなら社会に適応できていたひとたち,社会のなかに自分の居場所があったひとたちが,時代の変化によって居心地のいい場所を失ってうまく適応できなくなっている…そんな背景があって診察室へ訪れるようになった患者さんたちにその一時の不適応のために発達障害の診断をつけるべきなのだろうか,といった先生の主張もあり,とても考えさせられます。

発達障害の特性があることに気付くことと,発達障害だということを患者さんにお伝えする(告知する)ことはイコールじゃないとは私も思っているけれど,じゃあどんな患者さんには発達障害だとお伝えして,どんな患者さんにはお伝えしないのかという線引きはまだ自分のなかでかっちりかたまっていないんですよね。

強いて言うなら,うまくまわりの環境に適応できない状態で受診してくださってから,どうすれば少しでも過ごしやすくなるかを一緒に考えながらお会いするうちに,発達障害のことをお伝えしたほうがいいかも…というタイミングが来たらお伝えしている,という感じかもしれません。これって結構行き当たりばったりですよね。

やっぱりもっともっと自分自身の方向性とか指針といったものをはっきりさせないといけないな,とこの本を読みながら考えたところです。

たぶん,私自身にはこういうときはこうしているという暗黙のルールがあるのですが,それがちゃんとことばにしたいな,と。

…書いているうちにちょっと堅苦しい話になってきてしまいました。

この「時代を締め出すこころ」には,一貫して患者さんの視点を大切にした青木先生の診療姿勢が窺えて,読んでいてとてもあたたかい気持ちになります。

精神保健福祉に携わる支援者の方たちにも,精神保健福祉に関心のある一般の方たちにもぜひ一度読んでいただきたい,そんな本です。

小枝の本棚