「あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド 」

自閉症スペクトラムについてオススメの本は?と聞かれたら,間違いなくこの本はリスト入りします。

「あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド 」は,お子さん本人が自閉症スペクトラム特性のことを読んで理解するための本です。

脳のタイプはいろいろあるんだよ,というところから始まって,自閉症スペクトラム特性の「3つ組」について丁寧に説明が進んでいきます。

吉田先生の本のいちばんの特徴は,「特性は短所にもなるが,長所でもある」ということが終始強調されているところだと私は思っています。

自閉症特性があるから劣っているんじゃない,特性が他の人にはない強みとして発揮されることだってある,上手に強みを活かして,苦手を工夫をすれば十分やりようはある…その部分の説明が本当に力強くあたたかく響くのです。

(余談ですが,このあたりのことは「弱点の克服ではなく,自分の強みに注目せよ」というドラッカーの教えと共通するものがあるなぁ…と最近とても感じています。)

具体的な困りごとへの愛情あふれるアドバイス,先生が出会ったお子さんから感じ取ったその子の「科学者の心」のエピソード…どこを取っても,「自閉症スペクトラム特性はあなたの大切な個性だから,大事にして生きていこうね」という先生からのメッセージが詰まっています。

この本は,私に発達障害の告知について考える貴重な機会を与えてくれた本でもあります。

そして,私自身が診察室で自閉症スペクトラムの告知をした後でお子さんや親御さんに「この本をおうちでぜひ読んでみてほしいんです」ってお貸ししたり買っていただいたりする本ナンバーワンです。

支援者自身も,この本に書かれているように自閉症スペクトラムのことを理解していれば,診察や支援の仕方が大きく変わるんじゃないかな,と思います。

とにかく,とにかく,オススメの本です。

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