2011年

8月

01日

アドリブ説明力…

外来で診させていただいている自閉症スペクトラム特性をもつ青年たちが,ひとり,またひとりと就職へ向けて動き始めています。

どんな方法で就労の準備を進めるか,手帳取得や診断名の公表/非公表をどうするかといった,簡単には答えが出せないような問題にも,積極的に自分の意見を出したり自分から家族や支援機関の方に相談してみたり,ある程度自身をもって積極的に前進している姿が本当にまぶしくて,私は診察室などでそういう報告を聴かせていただきながら「うんうん,そこまで進んだんですね~!」と目を細めるばかり。

一方で,彼らと話をしながらふと引っかかることがあったりもします。

それは,やや即興的な場面での説明力について。

あらかじめ課題が与えられていたり,事前に予測がついたりすることであれば,筋道立ててきちんと話ができるのですが,その場で予想外のことを尋ねられたり,急に今の状況を説明するよう求められたりする場面では,大事なキーワードが抜けてしまったり相手に伝わるような描写ができなくなったり。

今,病院でお会いしている私たちは「あー,それって△△の話かな?」と想像して確かめることも補足することも自然にするけれど,社会に出ると「お前の話はわからん!」などと受け容れてもらえない可能性だってあったりします。

このあたりのことを,本当に仕事に就く前に少しでも練習しておいたら,彼らも安心できるかも知れないなぁ…とぼんやり考えたりする今日この頃。

「僕,アドリブ弱いんですよ」と笑いながら言うくらいのことはできてしまいそうな彼らですが,同僚や気心の知れた先輩はともかく,上司や取引先の人との関わりも想定すると,やっぱりこういうことにも慣れておいたほうがいいかもしれません。

今,どんな練習ができるかをスタッフといろいろ相談しているところです。

何かお役に立てたらいいなぁ…。

自閉症スペクトラム