自分で選んだとしても

以前からよく診察室でテーマとして出てくること…

それは「決められない」ということ。

以前も記事に書いたことがありますが,自分がどれを選べばいいのかわからない,いちおう選んでみるけれど,本当にこれでいいのか不安になって,結局決めきれずそこで立ち止まってしまう…そんな姿をよく目にするのですが。

以前,そろそろ仕事を探したいと思っていると思っている患者さんと話をしていたら,とても意外な選択肢で驚いたことがありました。

たしか小柄で物静かな女性でしたが,「建築現場で働いてみたいと思ってる」と言い始めたのです。

何でそんなふうに考えたの?…と話しているうちに,彼女の思考過程が明らかになりました。

自分ではパソコンを使った事務作業か清掃の仕事がいいと思っていた,でもどちらにしようか迷っているうちに,自分にはどちらも無理な気がしてきた,なので,そのふたつの選択肢から離れよう離れようとしていたら「建築現場もアリかも」という結論に至った…,と。

それって,カレーが食べたい人がレストランに入って,ビーフカレーかチキンカレーかで迷ってるうちに,どっちがいいかわけがわからなくなって,気がついたら別に食べたくもないのにとんこつラーメン頼んじゃってるようなものだよね? と声を掛けてみたら,「あぁ…そんな感じです。自分でも絶対おかしいとは思うんですけどね」と答えてくれました。


ふたつの選択肢のあいだで揺れるうちに,突拍子もない結論に辿り着いてしまっている患者さんを見掛けること,じつは結構多かったりします。

自分で決めようとがんばっているこどもたち・青年たちと診察室で話をするとき,できるだけ横槍は入れないように,自分で決める感覚を味わってもらえるようにと思ってはいるのですが…,

あまりにも意外で了解しづらい結論を出している患者さんに出会ったときには,できるだけこちらから「どうしてそう思ったのかな?」「どんなふうに迷った末に,その結論に辿り着いたのかな?」って確かめてあげることはとても大事だな,と改めて思ったのでした。

それが「なるほど…」と思える思考過程なら,その選択をしっかり後押ししてあげたいところです♪

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